【続100名城】滝山城 概要

滝山城は、かつて、武蔵守護代であった大石氏によって築城されました。そして、後に北条氏照が入城して、拡張したことで、現在の滝山城になります。
そんな滝山城は、続100名城にも選定されている城跡です。
場所は、現在の東京都八王子市にあり、八王子城とセットのイメージがあると思います。それもそのはず、北条氏照は、八王子城が築城される前まではこの周辺に住居していたようで、この滝山城から最終的に八王子城周辺に拠点を移転しています。そのどちらにも、非常に精巧な縄張りが敷かれているので、両者とも評価されている城跡です。
よく、写真などで見るのは、木橋がかかった大堀切の写真でしょう…。私もインターネットや本なので滝山城を見る時は、その木橋がかかっている写真をよく見ました。そのため、「実際はどんな遺構が残っているんだー」と思い、今回は滝山城を訪れました。
ちなみに、北条氏照は武蔵守護代の大石氏の養子に入り、大石家を継いでいます。

強力な家を乗っ取ったわけです…。
【続100名城】滝山城までのアクセス

近隣の駅には、八王子駅や拝島駅があります。両者の駅からバスで向かうことができ、ともに20分ほどで到着します。
私は今回、拝島駅よりバスで向かいました。バス停は「滝山城址下」です。
そんな私は、拝島駅は青梅方面に行くときに乗り換えでしか訪れたことがなかったで、少し大きい東京の駅だという認識だったのですが、駅のロータリーから非常に綺麗な富士山を見ることができたことに少し驚きました。フジサンキレイ…。
さて、富士山は置いておいて、バスで20分揺られると滝山城に到着します。バス停からすぐの場所から大手口に登って行くことができます。

<注意>特に帰り道は、拝島駅に向かうバスと八王子駅に向かうバスは同じバス停から出るので、間違えないように気を付けてください。

帰り道、私は間違えて違うバスに乗ってしまったので…。
【滝山城の個人的見所1】大手口~山の神曲輪址

初めの個人的見所は、大手口~山の神曲輪址の散策ルートです。
大手口より入って、左に曲がっていくと、最終的に山の神曲輪に到着するのですが、道中の右手には、広大な帯曲輪と深い谷が見ることができます。また、下には池が広がっているそうで、湖の滝山城の大きさと、自然地形をよく利用している様子がよく見えたので、非常に良かったと思います。

どこまでも下に続いているような感覚がしました…。
そして、最終的に山の神曲輪に到着します。
ここは、1569年の武田家の侵攻の際に住民が避難した場所です。この辺が搦め手となります。
このルートで、滝山城のスケールの大きさを体感してください。
【滝山城の個人的見所2】二の丸集中防御

滝山城の形態としてこの「二の丸集中防御」というのが挙げられると思います。二の丸を中心として、多くの遺構が残されているのでここも注目です。
三か所の馬出しがあります。まず、大手口から入っていくと、北条氏流の角馬出しが残っています。(写真を紛失して写真がないですが…。)
【補足】丸馬出しは武田流・角馬出しは北条流
そして、右側には大馬出しとされている場所があります。
最後裏手に回り、東馬出しがあります。こちらは、馬出しにつられると、二の丸には到達できない仕組みがあって、「ふくろのねずみ」と言われているようです。

このように相手を誘導する仕組みは、ちょっと遠いですが、山内一豊が築城した高知城なんかにも見られました。やり方は異なりますが…。
【関連高知城の入り組んだ虎口】
そして、このまま二の丸や中の丸へ進むことができます。
【滝山城の個人的見所3】大堀切と木橋

最後は、滝山城と言ったらこの木橋だと思います。
この木橋は、平成になって設置されてモノのようです。かつてはもう少し下にあったと言われています。また、取り外すこともできたとか。
そんな木橋がかかるのは、今は通路として整備されている大堀切です。ここも下に降りて歩くこともできます。

もちろん、上から渡ることもできます。このまま渡っていくと本丸へ向かうことができます。

本丸の奥には滝の曲輪があり登って行くことができます。また、中の丸や先程の山の神曲輪もそうですが、所々で多摩川を目下に眺望の良い場所があるので、そこも外せません。

終わりに

約2時間ほどの散策になりました。良く工夫されている縄張りで、どう攻め込むかで頭がいっぱいになってしまいました。非常に楽しかったです。この時の私は、まだ八王子城に行ってなかったので、そこにも行ってみたいなと思いました。滝山城と八王子城はセットで語られることが多いですからね。ともに堅固な山城で見ごたえがあります。戦を経験している城はタフです。

こっから半年後に八王子城を攻城しました。
【関連:雄大な山城‐八王子城‐】