【傑作】杉山城の概要
今回訪れたのは、埼玉県嵐山町にある杉山城です。
続100名城にも選定選定されている名城です。また、周辺の城郭と合わせて「比企城郭群」として国指定史跡に指定されています。非常に遺構がはっきりと残っていて、非常に精巧な造りをしていることから、「戦国期城郭の最高傑作」と言われています。
しかし、そんな評価をされているお城なのに、今まで築城を巡って論争が巻き起こっていました。
それが、「杉山城問題」です。
山内上杉氏なのか…。北条氏によって築城されたのか…。それを巡り論争をしていたようですが、近年の発掘調査で山内上杉氏による築城だということが分かったそうです。こんなにも評価されているのに、こんなにも論争を巻き起こしているのは、何とも不思議に思ってしまいます。いや、精巧に敷かれた縄張りだったからこそ、こんなに追及されたのかもしれませんね。
また、築城の時代背景としては、長享の乱のあたりだとされているそうです。
今はこの辺の関東史が大好きです。しかし、大学受験の際には、この辺の歴史置覚えるのに苦労した記憶があります。同じような合戦が多すぎて…。
超大雑把解説：長享の乱
山内上杉VS扇谷上杉の戦い。以前は、明確な力関係として「山内＞扇谷」だったのが、逆転しそうになり合戦に発展。こんなことして争っているから、後に、伊勢家（後北条）に攻められるんです…。
杉山城(埼玉県嵐山町)を散策
杉山城までのアクセス
そんな嵐山町の最寄りの駅は、東武東上線の「武蔵嵐山」駅です。池袋からだと約1時間ほどで到着します。
（らんざん）町です。お恥ずかしながら、ここに来るまでは、「あらしやま」だと思っていました…。学習学習…。駅前でレンタサイクルを借りることができるので、それをお勧めします。予約などは特に必要ありませんでした。このあたりの城郭群を回るとなると自転車or車は必須だと思います。
当日、私も、東武東上線で武蔵嵐山駅に向かい、そこから自転車で向かいました。また、周辺の菅谷館や博物館などの史跡とは反対方向になるので、そこは注意が必要です杉山城へ向かう前に、私は嵐山町役場へ向かいました。ここでは、続100名城スタンプや「お城カード」を頂くことができます。私は、日曜日にお伺いしましたが、問題なくいただけました。
そして、自転車で約3キロほどで杉山城へ到着します。
自転車を駐車場に止めて、歩いて向かうのですが、中学校の敷地？内を突っ切っていくので少し面白かったです。砂利道を付けると、そこには雄大な城郭跡が広がっています
個人的見所１ 虎口【杉山城】
個人的見所に挙げたのは、虎口です。城内には多くの虎口が設けられていて、綺麗な食い違いになっています。基本的に、各郭の入り口は、横矢掛りなどの多くのトラップが仕掛けられています。はっきりと形状が残っているので、非常にわかりやすいです。
しかし、東三の郭と、東二の郭の間の虎口は珍しくまっすぐになっています。
多くの虎口が工夫されているので、非常に面白いです。
個人的見所２ 屏風折り【杉山城】
この空堀と、複雑に入り組んだ屏風折は、傑作です。歩いて見るとわかりやすいですが、基本的にどの郭も虎口が小さいため、独立して存在しています。いくつもある郭の全てをこの空堀で囲っているので、迷路のようでした。
また、縦に長い城郭なので、北の方の郭まで歩いていくと、竪堀なども見ることができます。
曲輪【杉山城】
そのほかの遺構です。
井戸からは、水が溢れていました。昨日雨が降っていたのでそのせいでしょうか。
また、この井戸を守る井戸郭も存在します。
杉山城まとめ
私が訪れたのは、9月ごろだったのですが、意外と芝が深い場所があったり、森の中に入ることもあるので、動きやすい恰好と虫よけは必要だと思いました。（蛇注意もあったと思います…。）
全てを回って、最高傑作と言われるだけのことはあるなと思いました。
それにしても、誰がこの縄張りを張ったのでしょうか。
それは非常に気になるところですが、いつか全貌が分かってくれると嬉しいですね。発掘調査はすでに行っているので、文献調査になるのでしょうか…。
そして、周辺にはほかにも多くの史跡が残っているのでこちらも回る予定です。比企城郭群の一つ「菅谷館」こちらも続100名城に選定されている名城です。駅からは反対側なので、比較的長い移動になります。
【関連：比企城郭群‐菅谷館‐】
