【北条早雲ゆかりの地】荏原郷(岡山県井原市)

北条早雲(伊勢宗瑞)が幼少期を過ごした地が、岡山県井原市にあります。
相模の獅子と言われた北条氏康をはじめ、小田原北条家は五代にわたって、関東で覇権を争ってきました。大河ドラマ化が待たれるところですが、やはり関東の覇者と言えば、小田原北条家なのではないでしょうか?

また、お城が好きになった関東人が足を運びやすいお城も小田原城なのではないかと、私は勝手に思っています。
かつて関東には関東管領をはじめ、古河公方などの由緒正しいお家が争っていた地域です。
そんな小田原北条家はどこから湧いてきた存在なのでしょうか…?
そこに横やりを入れたのが、正しく北条家改め、伊勢家なのです。
初代早雲の出身に関しては、かつてより牢人から成り上がった下剋上の代名詞として語られていますが、現在では、室町幕府の政所に携わっていた伊勢家の出身であることが明らかになっています。それでも、いち役人から遠い異国の地にて大名になるのですから、凄いですね。伊勢家に関しては、室町幕府を語るうえでは外せない存在です。
このような出身の早雲(宗瑞・盛時)なので、幼少期を過ごした居城が、岡山県の井原市に存在します。周辺は早雲の里として整備されていて、早雲に関わる史跡などが多く存在する場所になっています。ちなみに、一番好きな武将が伊勢宗瑞(北条早雲)なので、語りたいことは無限にありますが、それを抑えながら現地の感想・情報を書いていこうと思います…。

ここからの呼称は、宗瑞様と改めさせていただきます。
【早雲の里荏原駅】よりスタート【アクセス】

【岡山県井原市の荏原郷までのアクセス】
岡山駅より約一時間。井原鉄道で『早雲の里荏原駅』で下車。
もちろんと言うべきか、磁気カードは使用できない電車で、整理券方式の電車となっています。実は、人生で初めてこのような整理券方式の電車に乗りましたので、少々緊張した?気がします…。私は始発で向かったので、もちろん誰も降りることなくこの駅から散策を開始しました。初めは、高越城へ向かいます。
パンフレットなどは、駅前で一通り揃えることができます。
ウォーキングコースとして紹介されているのでそれに従って歩くのも良いかもしれませんね。

コロナ禍での遠征の記録なので少々違う部分があるかもしれませんが、ご了承願います。
【北条早雲ゆかりの地】高越城【早雲居城】

写真があまりないので文字での記載になります…。
【高越城】
幼少期の宗瑞様の居城。お城自体は、蒙古襲来に備えて築かれた城跡。室町時代には伊勢家の城となる。
「早雲の里荏原駅」から歩いて、2.5キロで到着しました。
山城なので、坂を登って行く必要があるので注意してください。また、車用の車道を歩いていくのもありかもしれませんが、手前の山の麓から登って行ける道もあるので、徒歩の方はそちらもおすすめです。高越城の詳細のパンフレットも山頂に置いてあるので、そちらから遺構のほうは確認しながら歩くことができました。また、登城記録用のノートも置いてあるので、そちらに記載するのもいいと思います。
また、山頂には大きな石碑が立っていて、「宗瑞様の石碑かな…。」と思ったら宇垣一成の石碑でした。どうやら、岡山出身だったみたいで、そんなつながりもあるようです。(宗瑞様の石碑もあります。)この上からの景色は、非常に綺麗で朝焼けの井原市を眺めることができました。

場内を散策していると、所々整備が行き届いてない場所もあったので気を付けてください。
お次は、荏原郷に来たら、絶対外せない「法泉寺」へ向かいます。
【北条早雲ゆかりの地】大岩刻早雲供養碑~法泉寺


高越城~大岩刻早雲供養碑~法泉寺までは4キロ程の道のり
【大岩刻早雲供養碑】
こちらは伊勢氏家臣の平井氏が早雲200年忌に彫った供養碑だそうです。「普早雲寺殿天岳瑞公大居土墳」と記載されています。
そして、ここから2キロほど歩くと法泉寺に到着します。

【法泉寺】
伊勢家の菩提寺。宗瑞様の父伊勢盛定が建てる。宗瑞様は、幼少期よりここで学問を学んでいたとされている。
本当に法泉寺は憧れでした。きっと同じ小説を読んでいる人なら皆さんが憧れてる場所ではないでしょうか…。見学の場合は説明込みで1時間ほどの所要時間です。事前にお電話くださいと書かれているので、電話をして見学の趣旨を伝えてください。
中に入ると、住職の方とその奥様が本当に良くしてくださいました。お墓から、現在残っている宗瑞様にまつわる遺品の説明。法泉寺に伝わる宗瑞様の話。ここだけでしか聞けない話をたくさん聞くことができました。
多分3時間ほど滞在したのではないでしょうか…。本当に丁寧に説明してくださって、一生の思い出になりました。色々貴重な資料や物を見せていただきましたが、無題転載は禁止と書かれてたので、写真は省略します。また、いっぱい書きたい話がたくさんありますが、それは実際に行って聞いてみてください。絶対にここに来ないと分からないお話がいっぱい聞くことができます。
~新九郎薬師堂~
【新九郎薬師堂】
背中には「祈願主新九郎」と書かれていて、赤外線で発見されたそうです。
道順的には法泉寺からはかなり離れてしまいますが、最後に新九郎薬師堂へ向かいました。
荏原郷を回り終えることにはすっかりと夕方になってしまいました。本当に楽しかったです。実は、住職の方がご厚意で車で送ってくださりました。本当はもう一度行って感謝の意を述べたいのですが、流石に関東からは簡単に行けないので、この場で感謝を申し上げたいと思います。
ここでの経験が本当に今を生きる励みとなっているので、一生の宝物です。僕のような若造をもてなしてくれて、良くしてくださりました。
終わりに

今回は宗瑞様の生まれ故郷を散策しました。本当に昔から憧れの場所だったので写真を撮ることすら忘れて没頭していた覚えがあります。
北条家を追ってここまで来た方は、もう履修済みでしょうが、宗瑞様の興国寺城と韮山城は特にお勧めです。宗瑞様が残したお城たちをぜひ回ってみてください。
【関連:旗上げの城‐興国寺城‐】
【関連:韮山城】
今回はこれで終了します。ありがとうございました。