【岩槻駅からアクセス】岩槻城(埼玉県さいたま市)を巡る〜攻城レビュー㊳〜

ーお城巡りー
岩槻城を眺める
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江戸城と河越城とともに築かれた城:岩槻城

【岩槻城】
扇形上杉氏のお城。
築城に関しては、諸説囁かれています。

戦国時代の関東史を見ていると、必ず名前が挙がるお城ですね。川越城や江戸城とともに、扇形上杉氏の重要拠点として機能していました。山内上杉氏に大打撃を与え、扇形上杉氏を滅亡に追い込んだ河越夜戦の後も、家臣であった太田資正の居城として機能しました。そして、後に北条氏のお城となり、改修が行われました。

筆者
筆者

関東の争いには必ず絡むお城です。岩槻城無しでは、関東史は語れません!!

元々沼地に築かれた堅城でしたが、北条氏による改修で大幅に進化を遂げました。新曲輪・主郭・新征寺曲輪の3つのエリアに分けられまして、現在は新曲輪の遺構が残っています。

城下町の形成と大構~岩槻城~

城下の様子
城下の様子

岩槻城の周辺には城下町が築かれました。
城下町の名残が、現在の岩槻にも残っています。今も歴史ある街並みが残る岩槻ですが、現在は人形の街として名を馳せています。そんな文化の発展の礎がこの岩槻城であるといえるでしょう。そんな城下町が造られた岩槻城ですが、これを全て囲む「大構」を有していました。

【大構】
大構は「総構」とほぼ同義であり、土塁などで城下をぐるっと囲んだ様式。

例えば、とても有名なものに、神奈川県の小田原城の「総構」があります。同じ北条家の城跡で同じ悲運な運命をたどってしまいましたが、どちらも優れた城跡であることは変わらないでしょう。

【関連:小田原城攻城レポート】

筆者
筆者

家に帰って調べてみたのですが、大構と総構の違いは特にないそうです。私は、岩槻城の存在はずっと知ってましたが、そんな大きなお城だとは思いませんでした。

ということで、今回は岩槻城址公園として整備されている「岩槻城新曲輪跡」を散策していきます。


岩槻城までのアクセス

岩槻駅
岩槻駅

【岩槻城までのアクセス】
東武アーバンパークライン「岩槻駅」より徒歩で20分程で到着します。

私は今回は、岩槻駅でレンタサイクルを使用して岩槻城を目指しました。道中は歴史ある街並みが広がっているので、とても気持ちが良かったです。短時間のレンタルなら割安なので、自転車を走らせるのもおすすめです。

レンタサイクルは、「hellocycling」というアプリから予約ができました。

自転車はさいたま市立岩槻城址公民館前に駐輪できるスペースがあったのでここから散策を始めました。参考までに。


個人的見所1:岩槻城の空堀

最初の見所は空堀です。

新曲輪跡に残る空堀です。ここは非常に良く残っていました。実際に中を歩いて見ると、意外と深い…。歩ける空堀だけでもかなりの広さがあったので、ここ以外が埋め立てられていると考えると、非常に大きな城跡だったことが理解できました。

そして、この空堀からは「障子彫り」が発見されています。

障子彫り
障子掘案内板

【障子彫り】
北条氏が初めてた空堀の様式で、障子のように区切ることで堀の移動を困難にしていたというものです。これは徳川家康や豊臣秀吉も参考にしたとされる技術となっています。

今は埋め戻されていてその姿を見ることはできませんが「北条氏の障子堀を見てみたい…」という方には、「山中城」をお勧めします。はっきりと障子堀が残っているので、お勧めの城跡です。山中城以外には中々障子堀を見ることはできないと思います。多くは埋め戻されているか、定かではないものが多いので非常に貴重な遺構と言えるでしょう。

【関連:障子堀の山中城】

実際に歩てみて、岩槻城の空堀を感じてみてください。

筆者
筆者

また、馬出なども残っていると案内板には記載されていましたが、よく分かりませんでした。道路沿いにあると書いてあったんですが…。車も多く確認ができませんでした。すいません…。


個人的見所2:岩槻城の移転された城門

駅側の公園の入口の前に、移転された城門があります。江戸時代のもので裏門だそうです。明治維新まではかなりの広さを持っていたそうですから、そんな姿も見たくなってしまいますね。


個人的見所3:岩槻城の沼地の名残

当時の沼地の名残で池が残っています。かつては、ぐるっとお城を囲み自然の要塞となっていたようですが、大部分が埋め立てられています。今は池として整備されていて、鯉がいっぱい泳いでいました。また、池側から新曲輪方面を眺めると、お城の名残を感じることができます。「お城だったんだな…」というのが残る形状で理解できました。

現在はすっかりと埋め立てられて、子どもたちの遊び場です。


終わりに

今回の散策はこの辺で終了しました。帰り道の住宅街には、大きかった頃の岩槻城の名残を見ることができるので、探しながら帰ってみてください。屋敷跡などが看板で案内されています。

【周辺城郭記事】


今回のマップ