【国指定史跡】比企城館群の魅力

「戦国期城郭最高傑作が眠る城館群」
と言われるなら思わず行きたくなる、比企城館群を紹介。
主に、杉山城・菅谷館・小倉城・松山城の4城が該当し、他にも多くの城跡を確認することができる場所。松本城などのような天守閣があるお城とは毛色が違いますが、各々の城跡が個性を輝かせる城跡たちです。特に、杉山城と菅谷館は続100名城にも選ばれています。
そんな比企城館群は埼玉県にあります。都心から電車で1時間という好立地。嵐山町やときがわ町にまたがる城館群ですが、一日あればかなりの量のお城を巡ることができます。
私個人の見解…
「戦国期城郭の勉強に最適」
関東のお城の変遷を知りたかったら、ここに来れば全てを理解できます。歴史と自然が溢れる比企城郭群の中から、今回は3城をご紹介。今回紹介する3城なら、駅でレンタサイクルを借りることで一日で巡ることができますから、かなりおすすめ。

松山城は少し離れているので、今回は対象外。
【今回の記事の概要】
・杉山城について
・菅谷館について
・小倉城について
【戦国期城郭最高傑作】杉山城

近年まで築城者が不明だった傑作。【〒355-0211 埼玉県比企郡嵐山町杉山614】
一つ目は杉山城をご紹介。埼玉県のド田舎に「戦国期城郭最高傑作があるのか?」と不安に思うかもしれませんが、そんな不安を払拭してくれる名城です。杉山城は一言で表すなら…
「お城の教科書」
本当に教科書みたいなお城跡があります。誰かが「これを見本に造ってみなさい」と言って作ったレプリカのようなお城です。では、何が教科書なのか? 人の侵入を防ぐための工夫が、ありとあらゆる場所に散りばめられています。
土塁、屏風折、食い違い虎口などが設置されていて、全て目に見える形ではっきりとした形が残っています。石垣があるわけでもなく、ただ土が盛られている形で残っているので、戦国期城郭の最高傑作なのです。「土でできることは全てやった…」みたいな城郭なので、ぜひとも訪れてみてください。

ちなみに築城者を巡る問題は「杉山城問題」として議論されていました。
【杉山城の詳細】
【鎌倉殿の13人にも登場】菅谷館


鎌倉時代に名を馳せた畠山重忠の居城【〒355-0221 埼玉県比企郡嵐山町菅谷】
2つ目は、菅谷館を紹介。
菅谷館は、かつて畠山重忠の居城として機能。その後も扇谷上杉氏VS山内上杉氏の戦の戦場となるなど、波乱万丈の歴史あり。最後は、北条系の城郭として拡充されているので、北条系の城跡と言えます。続100名城にも選定されているので、遺構もはっきりと残っています。土塁や堀の様子がはっきりと確認できました。詳しくは省略しますが、様々な工夫が施されていて、珍しい遺構も見ることができました。

ちなみに、畠山重忠という人物。この方は旧武蔵国の多くの場所に銅像が立っているので探してみても面白いと思います。山とか神社を覗くと、この方と遭遇する確率は高いです笑。
【比企城郭群の学習に最適】嵐山史跡の博物館


番外編で、菅谷館に併設されている「嵐山史跡の博物館」をご紹介。
博物館では、比企郡の歴史を50円で網羅することができます。規模は小さめですが、ビデオや資料が設置されている学習コーナー・戦国時代の歴史を学べる展示、発掘調査で出て来た遺物を見ることができます。
学びたいなら絶対に外せない博物館
ちなみに筆者は、2時間弱をこの博物館で過ごして、歴史を学んでいました。
【菅谷館の詳細】
【珍しい石積み遺構】小倉城

貴重な石積みがある北条系山城【〒355-0341 埼玉県比企郡ときがわ町田黒608】
戦国期城郭らしく、小倉城は立派な山城です。攻城も容易ではありませんでしたので、気を付けてください。小倉城には、珍しい石積みの遺構があります。山城かつ関東だと、石を使った遺構があるお城は珍しい。

ちなみに、小倉城は「おぐらじょう」です。九州の「こぐら」とは別物です。有名なのは、「こぐら」かもしれませんね。

散策は山登り。しかもかなり広い。
終わりに

今回は比企城館群の3城を紹介しました。この3つ。それぞれ特徴があってとても面白いと思いませんか?
土城・山城・館跡・石垣。全てが見本のようで、お城好きにはたまらない地域になっています。珍しい遺構もたくさんあるので、勉強にもなります。比企城館群だからこその景色をぜひ拝んでみてください。比企城館群を総括すると…
座学にもフィールドワークにも最適な名城群
今回はここまで。ありがとうございました。
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