天竜川沿いの城跡群【二俣城・鳥羽山城】
今回訪れたのは、静岡県浜松市にある「二俣城・鳥羽山城」です。
特に珍しいのは、このお城は、「別郭一城」という仕組みを持っていることです。
別郭一城…互いに別の城郭ながら、お互いがセットで機能しているお城。
「一城別郭」の場合は、大きな曲輪が2個あって、片方が落とされても、お城として機能する仕組みになっています。これには掛川市の高天神城が当てはまります。そして、今回の別郭一城は、互いで機能が異なり、鳥羽山城が迎賓館の役割を有していたとされています。そんな跡も遺構に見ることができます。二俣城・鳥羽山城【浜松市公式ホームページ】【外部リンク】
一城別郭は、近隣の掛川市にある「高天神城」が有していました。幾度の戦が起こった山城もとてもお勧めです。周辺には、鳥羽山城に加えて、笹岡城などの城跡が集中しています。お城を築城するのによほど最適な場所だったのか…。はたまた戦いの都合なのか…。例えば、家康は、戦のときは鳥羽山城に陣を置いて、二俣城を攻めていたらしいですね。
セットで一つ。お隣にあるので二つ一緒に回れます。
鳥羽山城は、二俣城とは異なり、迎賓機能を備えていました。城跡には天守はなく、住居跡や庭の跡などを見ることができます。
今回は笹岡城は時間の都合上行けませんでした。
【追記：笹岡城も攻城したので下記にまとめました】
～二俣城散策
【二俣・鳥羽山上へのアクセス】
この2城は、静岡県浜松市にあります。駅は「天竜浜名湖鉄道」の天竜二俣駅・二俣本町駅から向かうことができました。天竜二俣駅からは1キロほどで到着します。
「天竜二俣駅」よりも「二俣本町駅」からならすぐに到着します。
私は、「天竜二俣駅」から向かいました。駅を出て左にまっすぐ歩くと到着します。ちなみに、「天竜浜名湖鉄道」の沿線には、他にも多くの史跡が残されています。そのため、フリー切符などがおすすめです。
台地に築城されているので、ここからは登って行きます。
二俣城…天竜川と二俣川の合流する天然の要害に築かれました。そして、本丸には野面積みの天守台が残っています。かつては、武田氏と徳川氏が争った地であり、多くの戦いが繰り広げられました。また、徳川信康自刃事件などが起きています。
城内の一番の見所は、やはり何といっても天守台跡ではないでしょうか。天守台へは登ることができるので、是非登って歴史を体感してください。
虎口跡など様々な遺構もしっかりと残っていました。
虎口周辺に案内板があります。
この堀切の右は、天竜川が流れています。断崖絶壁です。私は奥の方まで歩く時間がなかったのですが、天守台跡を出て虎口を抜けると、さらに天竜川に近づくことができると思います。
地図で見ると分かりますが、いわゆる舌状台地に築城されていて、とんでもなく攻められにくい場所に立っていることが分かります。攻めが容易なのは北側だけに見えます…。
また、二の丸、天守台周辺には土塁も残っています。
遺構を見終わったら鳥羽山城へ向かいます。鳥羽山城へは、一度二俣城から元の場所に降りることはありません。二の丸あたりから直接いくルートが案内されています。
近いといってもそれなりに歩きますが……。
～鳥羽山城散策
二俣城から歩いていくと右手には天竜川が流れています。
スゴクデカイです…。私は夏に行ったので、この規模の川を見ているだけでなんだか涼しい気持ちになりました。
そして、川を下っていくと鳥羽山城に到着します。
遺構は本丸を中心に見ることができます。
やはり本丸には、居住館としての側面が強く、関連する遺構が多くありました。
ちなみに、国指定史跡です。
私は、足早に鳥羽山城を巡り、ぎりぎりで次の電車に乗ることができました。
このまま終点の「新所原駅」へ、途中下車しながら向かいました。
追記：周辺の笹岡城を攻城
2年越しに笹岡城も攻城しました。本当は別記事にしようと思っていましたが、思ったより遺構が残っていなかったので、追記程度に記録しておきます。
笹岡城は、かつて二俣古城と言われていたお城で、戦国時代になるとお城機能が二俣城に移されたようです。現在はあまり遺構は残っていませんが、一応登って行けるので、軽い散策はできます。
空堀などの明確な遺構は確認できませんでした。
また、途中からは天竜区を一望できる場所があります。
あまり残っていませんでしたが、近隣なので一緒に回ってみてください。
終わりに
今回は天竜浜名湖鉄道を使って二俣城と鳥羽山城を散策しました。ともに歴史が好きなら名前ぐらいは知っている城跡と言えるのではないでしょうか。特に二俣城はそうだと思います。
この2城は隠れ優良城跡なので、是非巡ってみてください（個人的に）
そして、静岡西部城跡巡りのラストは、新所原駅から浜松駅に戻り、浜松城へ向かいました。
【関連：浜松のシンボル‐浜松城へ‐】
今回はこれで終了します。ありがとうございました。
